2010年4月アーカイブ

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歌舞伎座の閉場式にお招きいただきました。
明治22年の開場以来、木挽町に座す歌舞伎座。今の建物は昭和26年に復興開場されました。今日の「都風流」「京鹿子娘道成寺」「口上」「手締式」でその歌舞伎座が幕を閉じます。
本日の拍手の音が神社での祈りの、かしわ手のように清浄で澄み渡り天井から跳ね返るかのように響き、こだましていました。歌舞伎座を惜しみ感謝する観客の心からの思いが音になり満ちていたことに涙が溢れそうになりました。
数々の名場面や歌舞伎座にうかがった様々な思い出が巡りました。
本日、ことのほか美しく覚悟のあった玉三郎の姿。
幕あいで次なる歌舞伎座を設計している隈さんに会い、立ち話。
最後の幕が開くとずらりと羽織袴で勢揃いした役者さん、鳴りものの方々の総勢での古式の手締式は圧巻。この場に立ち会えたことに感謝いたし、まさに御名残歌舞伎座でございました。

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草や木の葉の萌え出ずる緑は極上の色。生命の躍動と和らぎを与えてくれます。この季節が一番好き。緑を眺めるだけで、毎日、幸せな気持ちでワクワクいたします。
鶸萌黄、浅緑、淡萌黄、裏葉柳、青丹、苗色、若草色、青竹、萌黄、青磁、孔雀色、、、と様々な緑が折り重なる山々には目が眩みます。木々から芽吹く瞬間の色、白緑は天からの贈り物のよう。
お稽古場の室礼を緑の現代美術の作品と花で遊んでみました。

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日曜日のブランチは母の手作りで玄米ごはんとアサリのお味噌汁、ヒジキとレバー、いろいろ野菜で栄養補給。

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この筆は古式の「巻筆」です。芯が紙でできています。奈良、平安の古筆や古写経はこうした筆で書かれたようです。千数百年間も作られましたが、明治以降、急速に減少し、今日では15世の藤野雲平氏が伝承するのみとなりました。現代の筆に比すると製作に二、三倍の時間がかかり、特殊技術を必要とします。今世紀、伝統文化の多くが消えんとする中、貴重な技のひとつです。

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お稽古場の小さな庭に遊びにくる猫たちは不思議に皆、私好みに白と黒の模様です。
最近は真っ黒のザビエルと佐助、白黒ぶちの日野さんがきていました。今日はなんと、一年半ぶりに猫村さんが登場。死んでしまったかと思っていたので嬉しくなりました。猫の行動パターンは解明できません。

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大好物のホワイトアスパラはギリシャ、ローマ時代にも既に食されていたそうです。特にフランスではルイ14世が好んでいたため、特別に年中栽培していたと言われます。日本でも近年、季節にはポピュラーに出回るようになりました。昔から大好物でオランダから空輸していただいておりましたが、その話をたまたま、いたしたお弟子さんから毎春、嬉しいことにたくさん送られてまいるようになり有り難い限りです。早速、グリルでその甘みを堪能させていただきました。

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切型は職人さんへのお道具の注文の為の型紙。
こちらは、利休が茶会などで拝見した茶入の形を心覚えの為に自ら制作した門外不出の切型。所持する大徳寺の龍光院さんの欠伸会にて数十点を拝見することができました。
永禄元年から七年、利休、37才から46才にかけての筆跡で紙質も懐紙などいろいろあり、初花や茄子や上杉瓢箪など名物茶入の形を紙の切型に残したのです。奇跡的に今に伝わるそれらから、利休の茶の湯に対する思い入れが溢れ出し、茶会で数々の名品の取り合わせによるお道具を拝見することより新鮮に450年ほど前の利休の佇まい、存在を感じ、新たな感動を味わうことができました。思わぬ感覚でした。

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桜は枯れずに散るので永遠だと古曲は語ります。風とともに舞い散る花びらには精霊が宿っているかの如く息吹があり、大地を行進しているかのように走り動く様子には毎年、笑みがこぼれます。そして散り敷かれた様は、屏風絵にしたくなります。

FENDI

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ここ数年の着物バッグのお気に入りはFENDI。
ミニリンダを色違いで、ベージュ、シルバー、夏用のストロー×ホワイトレザーを愛用しています。ピンクが欲しいなとショップへ向かうと、ピークアブーの限定オーダーをしていました。外側と内側の組み合わせがいろいろあり、中の柄のバリエーションが楽しく、見えない部分の襦袢や八掛にこだわる着物の美学に通じます。
黒のパテントに内側は幾何学な模様の革の型押しを選びました。シックな色の紬に似合いそうです。

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日本の大寒にあたるころ、ブルゴーニュではヴィニュロンの守り神、聖ヴァンサンのお祭りがあります。ワイン村の代表がその手に仕事道具の小鎌と葡萄を携えた聖ヴァンサン像と村の幟をもって村々を練り歩き、それまでの一年の感謝とこれからの豊作を願いミサを捧げワインが振る舞われ、葡萄畑の一年がはじまるのです。
ブルゴーニュから六つのドメーヌが来日するサンヴァンサンの会にお招きいただきました。目の前に六つのワイングラスが並び、美味しいお料理とともに次々とブルゴーニュの至福を味わう素晴らしい晩餐会でした。




悪友と銀座でお寿司をいただいた後、お茶をしようとシャングリラへ。
メニューを見たら、アジアンメニューがあり、思わずチャオメンとサラダをオーダー。クリストフルのお箸とカトラリー、刺繍入りのナフキンが出てきます。フレッシュジュースには絞りたてのメロンを。夜景を見ていると時を忘れ、「泊まりたい」と言ったら、「死んだら」 と呆れられました。





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今年も京都のお稽古日が満開の桜のタイミングで幸せです。
八坂神社近くのお稽古場から鴨川、高瀬川とぶらぶらお花見いたしました。
この時期の目張柳の一瞬の、かそけき緑の形の美しさもまた格別です。絵師たちがその瞬間を描いた気持ちがよくわかります。目張柳を薪絵した棗を出さなくては!

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蓮は何か心惹かれる神秘の花。
以前「華荘厳」というインスタレーションを寺院で行った折、3000本の蓮をタイから取り寄せ、二日間、何人かで徹夜して花弁を折り込み、オブジェのようにしました。その全部を境内に室礼、圧巻だったことを思い出しました。
インド、スリランカの国花でもあり、古代インドではシンボルとして数々登場いたし、泥の中から清らかに咲く花は、あるべき人生の象徴としてヒンドゥー教から仏教、密教においても大事な存在の蓮。
神楽坂の「石かわ」 が昨年ひらいた「蓮」にホワイトデーディナーにお招きいただきました。懐石料理でした。稚鮎の唐揚げからはじまり、ホワイトアスパラのグリル、蛤のお椀、、、、流れが新鮮で心あるお料理でした。ラストのミニカレーが私好みで、すっかりこちらのお店のファンになりました。ごちそうさまでした。
「蓮」
新宿区神楽坂4-3-2近江屋ビル4階
0362650177

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