ごあいさつ

日本の美の本質は総体にある。
今、そこここに落ち葉のように散らばっている日本の断片。
わたくしはその断片をひとつひとつ集めながら、
それらを繋ぎとめていた「日本の心」を
もう一度辿り、新しい樹木の輪郭を見つけたい。
日本という時間と空間が歩んできた、
そして蓄えてきた理念や美意識を携えて、
勧照と想像を享受する。
そうしたい想いを「雅藝」と名付けた。

(川邊りえこ「雅藝草子」(工作舎)より)

日本雅藝倶楽部

「日本の美の総合性」「日本の美の新しい様式」をテーマに、日本の美へのまなざしを日本人のライフスタイルに中に再構築していこうという目的から、1995年に発足致しました。

この構想は、当倶楽部の代表である川邊りえこの提唱によるもので、書道家でもあり、幼少の頃から日本文化に接することが多かった川邊りえこが、西洋文化に傾倒し、日本の風土の中で培ってきた独自の美意識を失いつつある日本の現状に不安を感じるとともに、自身の体験を通し、伝統文化を流儀の形でなく、親しみやすく、生活の中に息づいていなくてはならないという考えから生まれたものです。

そして「日本の美の総合性」というテーマは、茶道に代表されるような「日本の美は総体での美しさである」という考え方があり、それを「雅藝(みやびごと)」と名付け、「日本雅藝倶楽部」の実践の礎としました。

メンバー制であるこの倶楽部は約百名が参加しています。
この倶楽部で慣れ親しむことのできる伝統文化のジャンルは広く、「日本の美」に関わる数多くの芸道におよんでいます。メンバーは、書、茶、香、邦楽、陶、俳句・・・と、それぞれの道で活躍されている方々に師事し、日本伝統の芸道の古典に学び、親しみながら「日本の美の新しい様式」を創ることをテーマとしています。

創作、表現の厳しさと立ち向かうことから自らの個性を見いだし、自在に楽しく日本の文化を身につけようとしています。その道のプロを目指すのではなく、現代を生きるタイプの「粋人」を極めようとする人たちの集まりです。

日本では珍しい『イギリスのCLUB』のような「倶楽部」がここにあります。

日本雅藝倶楽部 会則十箇条

ひとつ、遊び心を持つこと
ひとつ、みやびごとを稽むこと
ひとつ、日本人の心意気をもつこと
ひとつ、風流を解すること
ひとつ、美を発見するまなざしをもつこと
ひとつ、もてなしの心をもつこと
ひとつ、感謝の気持ちをもつこと
ひとつ、自分を知ること
ひとつ、仁義を尊ぶこと
ひとつ、藝事は続けること

設立趣旨

歴史は、意識下と無意識下のうちに動いていきます。
現代に生きる我々として、今を知り、語り、創っていくためには、過去に遡り、過去を知らなければなりません。
我々は日本人でありながら、西洋文化の摂取に傾き、久しく、また、日本文化については、残念ながら表面的なとらえ方や前時代的なものとして、西洋文化より距離が遠いところに追いやられている気がいたします。現代人の心の中に流れる『古層』とでも言うのでしょうか。血や民族性と言うと重くなってしまうのですが、「日本人としての魂を探ることから連なる日本文化」に対する眼差しを、今、あらためて持つ必要があるのではないでしょうか。

決して懐古的な日本趣味でも、海外から見たエキゾチシズムでも、平安貴族の雅を復興させようという趣旨でも、マーケティング的な発想でも、暇つぶしのカルチャーサロンでもありません。古典を学び、参考としながら、日本人の情緒を知り、文化の蓄積を知り、その中で何があったのかを見つめ、その骨格を知ることによって、日本の伝統に新しい創意を加えていくべきであろうと思います。日本雅藝倶楽部は「日本の美の新しい様式の構築」をテーマに、「日本の美への姿勢」がこれからの日本を担う方々によって社会にコミットされていくことを願い、その実現を目標に平成16年5月11日に発足いたしました。

 川邊りえこ

お稽古場

  • 東京・三田お稽古場
  • 京都・お稽古場