思えば私の古代への関心は「銅鐸」からはじまりました。それが何に使われたか、わからないと言われていたことに、隠された古代の秘密を感じたのが小学生のころでした。
その後、ながらく弥生式土器の力強いながらも削ぎ落とされ洗練された造形に惹かれ、数々の土器が手元にやってきました。大地から芽吹く春の花がよく似合い、早春の室礼に活躍してくれています。
私の好みも方丈などの角のあるミニマムなものから丸みのあるものや円に変化するに従って、縄文のデコラティブな造形に更なる力強さと宇宙につながる原始を感じ縄文を追い求めはじめました。神代文字を書きはじめたのも必然だったのかもしれません。
確信していたこの展覧会、ようやく行くことができました。
縄文の草創期(およそ13000年前)の原始的なあたたかみのあるものから、晩期(前1000年〜400年)の祈りの造形を超えるかのような精緻で中空なものなど時空を忘れてしまいます。名だたる遮光器土偶にも会えました。明日までです。
国宝土偶展
東京国立博物館
