そのごっそり捨てられた荷物の中から母がもう一つだけ、持ち出した古代朱の文筥。
中には戦地から世田谷に住む祖母に宛てた手紙が、、。はじめのころは封筒に書で、戦火が進むころには紙を惜しむかのように葉書に万年筆でびっしり丁寧な文字が、、。祖母への想いと家庭を守る立場の心得、祖父の克己心ある哲学など、、。麗しい文体で綴られている。
思えばこの頃は祖父は30代前半?昔の人の思考の深さ、教養、品格を感じる。まだ幼い母に宛てた葉書には可愛い絵を書き入れ、カタカナでのメッセージが。祖父が戻ってきた時の嬉しさを母が語る。思わぬタイムカプセルに乗ることができた。
今週は母が入院、手術でまことにハラハラした。生かされていることに感謝し、お墓参りにいこう。
